10月25日、AppleがiOS16.1の正式版をリリースしました。
OSのアップデートには、便利になったりパフォーマンスが上がったりする反面、問題やデメリットが出る側面があります。アップデートの詳細内容と注意点を見ていきましょう。
iOS16.1の主な新機能は2つある
iOS16.1の主な追加の新機能としては、iCloud共有写真ライブラリ、ライブアクティビティが表示可能などになります。
変更点含め、内容をまとめてみました。
各項目の詳細は、公式のiOS16.1リリースノートをご確認ください。
iCloud共有写真ライブラリ
iCloud共有写真ライブラリという新機能が追加されました。
個々のライブラリで、写真とビデオを最大5人とシームレスに共有可能な機能です。
簡単選択機能や、フィルタ機能、複数名でのライブラリの変更など、便利な共有機能が用意されています。
ライブアクティビティ
ライブアクティビティという新機能が追加されました。
他社製AppのライブアクティビティをiPhone 14 ProモデルのDynamic Islandやロック画面に表示可能となりました。
ウォレット
メッセージやWhatsAppなどのメッセージ用Appを使ったウォレット機能が強化されました。
車やホテルの部屋などのキーをウォレットで安全に共有可能な機能です。
ホーム
新しいスマートホーム接続規格、Matterに対応し、ホーム画面がより便利になりました。
さまざまなホームアクセサリを、エコシステム間で連携させることが可能な機能です。
ブック
ブック系の機能でもちょっとした変更がありました。
読書を開始すると、リーダーコントロールが自動的に非表示になる機能です。
iPhone用のバグ修正
以下の問題の修正が行われたようです。
- 削除済みチャットが“メッセージ”のチャットリストに表示されることがある問題
- 簡易アクセスの使用時にDynamic Islandのコンテンツが表示されない問題
- VPN Appの使用中にCarPlayを接続できないことがある問題
- VoiceOverを使って日本語キーボードで入力の際、音声フィードバックが途切れる問題
セキュリティ関連の修正
セキュリティ関連では、CVE番号付きで20件の修正が実施されました。
中でも注目は、カーネルにおける範囲外書き込みの問題であり、悪用されている事が判明していました。
今回の修正により、アプリケーションがカーネル権限で任意のコードを実行できてしまう可能性に対処されました。
iPadOS16.1では、追加と変更がかなり多い
iOSに合わせてアップデートされたiPadOSに関しては、iOSよりも追加や変更点が多く、注目です。変更点を箇条書きで紹介します。
各項目の詳細は、iPadOS16.1リリースノートをご確認ください。
- iCloud共有写真ライブラリ
- メッセージ
- メール
- Safariとパスキー
- ステージマネージャ
- 新しいディスプレイモード
- 天気
- Game Center
- テキスト認識表示
- 画像を調べる
- Siri
- 音声入力
- マップ
- ホーム
- ファミリー共有
- デスクトップクラスのApp
- 個人情報安全性チェック
- アクセシビリティ
- メモに機能追加
- “探す”や“正確な場所を見つける”の対応追加
- 空間オーディオ対応追加
- FaceTimeのHandoff機能強化
- ミー文字のバリエーションがアップデート
- 翻訳App機能強化
- “写真”の重複検出機能
- リマインダーにピン機能追加
- ホーム画面上での検索機能強化
- 緊急セキュリティ対応強化
公式以外でも不具合修正・改善も確認されている
いち早くアップデートした有志により発見された変更点もあるようです。
下記はApple公式情報ではないため、環境により反映されない可能性があります。
バッテリー残量の数値付きアイコン表示対応追加
Face ID搭載端末でも、バッテリーの残量をパーセント表示できるように改善されたようです。追加の対応機種は、下記の4つとなります。
- iPhone 11
- iPhone XR
- 12mini
- 13mini
Safariでパスワード設定時の不具合改善
iOS16以降、パスワード設定時に自動作成されたパスワードを変更しようとするとSafari全体がフリーズしてしまう不具合が報告されていました。
iOS16.1アップデートで修正、フリーズせずに利用できるようになったとの声があがっています。
3本指同時タップ時の不具合改善
ゲームアプリ等の、3点同時タップを行うユーザーへの影響が大きい不具合も修正が入りました。
3点同時タップで表示される文字列編集用のツールバーが文字列編集時以外にも表示される問題が改善されたようです。
ウィジェットの不具合改善
iOS16へのアップデート以降、「Yahoo!乗換案内」アプリなど一部のアプリでウィジェット表示がおかしい、反映が遅れるなどの問題の発生が確認されていました。
iOS16.1へのアップデートによる解消報告があがっています。
ロック画面の壁紙編集時、選択して変更可能
「設定」アプリの壁紙設定画面からは、作成したロック画面を切り替えられないといった不便な問題が有りました。
iOS16.1へのアップデートにより、壁紙設定画面でホーム画面かロック画面か選択して変更が可能となったようです。
アップデートにより発生する問題に注意
リリース直後であるため、新OS特有の不具合、バグなどの報告は多くありません。また、深刻な問題もさほど発生してはいないようです。
今後、追加の不具合報告が出てくる可能性もあるため、アップデートは慎重に実施するようにしましょう。特に「会社の端末」であったり、「レンタル品」である場合には無用なトラブルを招きかねません。
背面タップが使えない(一部ユーザーのみ)
一部ユーザーの間で、以前より設定し利用していた背面タップ機能がiOS16.1へのアップデートより使えなくなった、との声があります。
現時点で詳細や対処方法は不明です。
問題の発生数自体も多くない状況ですが、下記の対処を試してみると良いでしょう。
- iPhone本体の再起動
- 背面タップ(ダブルタップ・トリプルタップ)を「なし」に設定後、「有り」に再設定。
WiFiがつながらなかったり、すぐ切れる
iOS16.1にアップデート後、WiFiに接続できなくなったり、すぐ切れてしまう症状が確認されています。
ネットワーク設定をリセットで改善される場合があります。
通話アンテナが立たず、圏外になる
通話契約がある場合、圏外になってしまう症状が確認されています。
楽天モバイルの場合、設定のプロファイルを削除することで解決する事があります。
一部アプリが起動しない、うまく動作しない
iOS16.1にアップデートした端末で、ゲーム系アプリなどの一部アプリが起動できない、うまく動作しないといった症状が確認されています。
基本的にはアプリ側でiOS16.1に対応させる修正が必要なため、待つしかありません。使いたいアプリの対応状況を確認の上、慎重にアップデートするようにしましょう。
SNS系アプリなどで通知が届かない
iPhone11をiOS16.1にアップデート後、通知が届かなくなる症状が確認されています。
アプリの再インストールで改善される場合があります。
リンゴループになる
iOS16.1に限らず、アップデートの際にストレージに空き容量が足りない場合、リンゴループが発生する可能性があります。
延々と再起動を繰り返す、いわゆるリンゴループは不要なデータやアプリの削除で空き容量を確保しておくことでたいていは回避できます。
バッテリーの減りが早い
iOS16.1に限らず、アップデート直後は内部処理の影響でバッテリーの消耗が激しくなることがあります。
内部処理はアップデートしてから48時間程度と言われているため、端末を利用する直前でアップデートをかけないほうが良いでしょう。
設定のバッテリー関連に「iOSをアップグレード中のためiPhoneは通常より多く使用されています。これによりバッテリーの持続時間に影響がある場合があります。」といった警告が出る事もあるため、時間以外でも内部処理の完了判断ができる場合もあります。
内部処理が終わっても解決しない場合の対処法としては、設定や使い方の見直しが必要となります。
- 画面ミラーリングを極力使用しない
- iPhoneを低電力モードに設定
- 画面の明るさを自動設定にするか、手動で暗めに設定
- iPhoneの自動ロックを1分に変更する
- アクセシビリティ機能「自動で電話に出る」をオフに変更
- 使用していないアプリのプッシュ通知はオフにしておく
- 起動したアプリをマルチタスク画面に残さず、終了させておく
- Wi-Fiがあれば優先的に使用し、モバイルネットワークを使わない
- Bluetoothを使用していない時はオフにしておく
今後のアップデート予定も一部公開されている
テスト運用や開発者向けのリリースで、今後のアップデートで実装予定の機能が公開されています。近日中、もしくはこっそり反映される場合もあるかもしれません。
アプリ内コンテンツのプリロード
アプリのダウンロード後、アプリの起動前にアプリ内コンテンツをプリロードすることが可能になるようです。
プリロード機能に伴い、App storeの自動ダウンロードにアプリ内コンテンツの項目も追加されるとのこと。
アプリ起動後も追加ダウンロードされる場合も多かったため、すぐに利用できて便利になることが予想されます。
iPhone14で衛星経由の緊急SOSのデモ機能
iPhone14にて、衛星経由の緊急SOSのデモ機能が搭載予定との事です。
デモ機能によって、Wi-Fiやセルラー信号のない場所でなくても緊急SOSが正常に動作するか確認可能との事。
11月の公開を目指しているとの情報が入ってきています。
カリナイト