カリナイトへの問い合わせで、「モニターを縦画面にしてサイネージのように使いたい」というものがあります。メーカーは推奨していませんが、条件を満たすことでサイネージのような使い方も可能となります。ご紹介していきますが、あくまで動作を保証するものではないことをご承知下さい。
モニターを縦画面にするために必要なものがある
モニターを単純に縦に設置するだけでは、出力される映像が横のままとなります。
映像を出力する機器により対応方法は異なりますが、基本的に下記のようなものは必要となるでしょう。
- 出力機器側での設定
- 縦長の静止画や動画などの再生用コンテンツ
- 縦画面用の機材一式
自動で縦画面に合わせてくれたりはしない
安易に縦画面用の対応をしないでおくと、下記の画像のようになってしまいます。
Windows10のパソコン画面ですが、iPadなどの他の機材でも基本、同様の映像出力になると覚えておきましょう。
映像出力機器次第で設定は異なる
メディアプレーヤーやパソコン、iPadなど、接続する出力機器次第で設定の難易度は異なります。
最も簡単なのはモニター本体やメディアプレーヤーなどの選択肢と言えますが、調整など融通が利かない所があります。パソコンであれば、映像の調整や再生方法など、色々と融通が効く反面、設定の難易度は若干高くなります。iPadなどの場合、直接の出力が難しいために「ミラーリング」という手法を取る場合があり、難易度は最も高くなっています。
映像出力機器を選ぶにあたり、目的に合わせる必要があるでしょう。
例えば、iPadの場合は操作がしやすい面があるため、プレゼンテーションなど手動で操作が必要なケースで有用です。
逆に、動画などを流しっぱなしにするのであれば、映像出力機器は固定して良いため、メディアプレーヤーでも十分です。
動画ファイルのファイル形式には対応したものを選ぶ
使用する機器によって様々ですが、動画のファイル形式は対応したものとなっているか注意しましょう。
基本的に、mp4形式が一般的です。パソコンでの再生であれば、下記のファイル形式が対応しています。
- mp4
- m4v
- mov
- asf
- avi
- wmv
- m2ts
パソコン(Windows10)での設定方法
モニターとパソコンをHDMIケーブルで繋いだ後はパソコン側での設定のみとなるため、難易度は中くらいです。
用意する動画がフルHD用なのか、4K用なのかも重要ですが、縦長の縦横比であることが大前提です。
パソコン自体の対応解像度の確認が必須
パソコンに搭載されているグラフィックボードやグラフィックメモリなどにより、出力できる映像の対応解像度が異なります。
フルHD程度までしか対応しないものもあれば、4K映像に対応したパソコンもあるでしょう。
当然の事ながら、高い解像度に対応したパソコンは高額となるため、レンタル料金も高額となる場合が多くなる傾向です。
モニター側の対応解像度もしっかり確認しよう
出力された映像が4Kでも、モニターやディスプレイがフルHDまでしか対応していなければ、フルHDとして出力されます。
出力させたい解像度がある場合、モニター側の対応状況の確認が必要です。
基本は、設定画面から画面を縦に設定する
まずは、パソコン左下の「Windowsアイコン」をクリックして、設定画面に入るための「歯車アイコン」をクリックしましょう。
設定画面に入ったら、「システム」をクリックしましょう。
「ディスプレイ」項目の、「ディスプレイ解像度」を縦、もしくは縦(反対向き)に変更する。
ディスプレイを左1回転で縦にしているか、右1回転で縦にしているかで、ディスプレイの上下が変わります。縦か、縦(反対向き)なのかは実際のディスプレイの向きに合わせて設定しましょう。
設定を間違えた場合、下記の画像のように上下が反転してしまいます。
モニターに合わせて設定ができれば、縦画面にする設定は完了です。動画を再生する場合は、縦長の動画がきれいに収まるよう、追加の設定が必要です。
縦画面用動画は縦長の縦横比で作成しよう
画面を縦にする場合、再生する静止画や動画も縦長となるサイズで作成しておく必要があります。
加工なしだとスマホで撮影したものをベースにする事もあると思いますが、ビジネス用の動画などはきちんとしたアプリを使いたいものです。
縦長の動画を作る事が可能なアプリも覚えておきましょう。
無料
- VideoProc Vlogger
- AviUtl
有料
- Wondershare Filmora9
- PowerDirector 18
- Adobe Premiere Pro
動画や静止画のコンテンツに合わせる
縦長の動画を作成できた所で、次に問題となるのは動画再生の方法です。難しい問題であることは、Windows標準のメディアプレーヤーで再生してみると分かります。下記の画像は、動画再生直後のメディアプレーヤーですが、再生操作ボタンなどが見えてしまっています。
しばらくすると、余計なものは見えなくなりました。リピート再生も問題ありませんが、上下に黒の余白が出ています。
動画は1920×1080のmp4形式ファイルですが、ディスプレイを同様の1920×1080にしてもさほど変わらず黒の余白が出ています。
2048×1152にディスプレイの設定を変更した所、下記のようにほぼ余白なしで再生できました。
パソコンと、モニターやディスプレイの組み合わせで、設定内容が変わることもよくありますので、うまく調整していきましょう。できるだけ、事前に再生確認を行なっておく事も重要です。
メディアプレーヤーでの設定方法
設定は最も簡単で、縦長の動画を制作して用意しておくだけとなります。
縦横比次第では思ったように再生されない場合もあるため、モニター画面に合わせる必要があるでしょう。ほとんど正方形に近いなどだと、黒枠が出る可能性も高くなります。
メディアプレーヤーの基本的な再生方法
メディアプレーヤーでの動画再生には、動画データを記録したメディアも必要となります。
カリナイトではよく、USBフラッシュメモリをおすすめしています。基本的には、動画データ側での調整のみとなりますが、再生の流れをご紹介しておきます。
400-MEDI023Hの場合
ホーム画面で「動画」を選択し、再生するメディアを選びます。
USBメモリなど、選択したメディアの中にあるフォルダを選択します。フォルダ内のファイルを選択し、決定することで再生が開始されます。
リピート再生が必要な場合や、画面の余白が気になる場合はサブメニューを使いましょう。再生中に「メニュー」を押すことで表示されます。
リピート再生は下記の4つからの選択となります。
リピートなし | 選択した動画の再生が終わると、再生を停止します |
---|---|
リピートワン | 選択した動画のみを連続で再生します |
全リピート | 選択した動画と同じフォルダに有る全ての動画ファイルを連続で再生します |
ランダム | 選択した動画と同じフォルダにある全ての動画をランダムで再生します |
画面の余白はアスペクト比のメニューで調整します。
パソコンほど細かい設定ではないので、簡単な反面、余白の微調整は難しくなっています。
オリジナルサイズ | 動画のサイズに依存した表示になります |
---|---|
16:9 | 横長の一般的なディスプレイに使用します |
4:3 | 正方形に近いディスプレイに使用します |
フル画像 | 出力するディスプレイに合わせて、動画のサイズを拡大縮小します。 引き伸ばされて動画が見づらくなる可能性があります |
iPadでの設定方法
iPadをモニターに縦画面で出力するのは、非常に難易度の高い設定となります。
パソコンに詳しくない人なら、まず不可能だと言って良いでしょう。
基本的に、Macによるミラーリングが必要
まず、MacとiPadを「USB接続」し、モニターとMacを「HDMI接続」します。
つまり、macにiPadの映像データを転送し、macに出ている映像をモニターに出力する形となります。直接出力より若干の遅延もあるため、特にiPadで映像出力したい理由がなければあまりおすすめはできません。
加えて、iPadの画面とモニターの画面の縦横比は一致しないことが多いため、黒い余白は避けられず、動画の再生には不向きと言えます。
Mac側での設定では、QuickTimeを使う
「システム環境設定」をクリックし、「ディスプレイ設定」をクリックします。
「ディスプレイ設定」を開いたら、モニターの「解像度設定画面」が出てきます。外部ディスプレイを接続していない状態だと、設定画面が出てこない事があります。設定画面が出てこなければ、接続ができているか確認してみましょう。
「解像度設定画面」で、外部ディスプレイの画面を90度回転に設定します。変更してもよいか確認が出てきたら、「確認」をクリックして下さい。
外部ディスプレイの画面の準備が出来たら、iPadの画面をmacに表示させます。
macOS X 10.10以降であれば、「QuickTime Player」をmacの標準インストールソフトウェアの中から探して開きましょう。
画面左上部にQuickTimeのメニューが出てくるので、「ファイル」メニュー内の「新規ムービー収録」をクリックします。
QuickTimeの収録画面が立ち上がるので、収録画面内のカメラ設定をiPadに切り替えます。
iPadの映像が出てきたら、縦画面にした外部モニターに配置して完了です。
カリナイト